テクノやエレクトロニカのサウンドは、映像と結びつくことで強烈な印象を残します。緊迫感を煽るビート、未来的なサウンドスケープ、時に無機質で冷たい響きは、物語や世界観に独自の質感を与えてくれます。ここでは、BGMが特に印象的で、テクノミュージックが物語の推進力となっている洋画5本をご紹介します。音楽そのものが映像体験の中核にある作品たちを、ぜひ音響環境を整えて鑑賞してみてください。 <!–nextpage–>
ラン・ローラ・ラン(1998)
主要キャスト
フランカ・ポテンテ/モーリッツ・ブライプトロイ/ハーバート・クナウプ
見どころとテーマ
本作は、ドイツ映画界を代表する斬新な映像と音楽の融合の一例です。主人公ローラが制限時間20分で恋人を救うために街を疾走する物語は、3つの異なる展開で繰り返されます。全編を貫くテクノサウンドが、まるで観客自身が走っているかのような臨場感を生み出し、映像と音楽が一体化した稀有な映画体験を提供します。
あらすじ
ベルリン。恋人マニがトラブルに巻き込まれ、大金を20分以内に用意しなければ命が危ない状況に。ローラは電話を切るや否や街へ飛び出し、全力疾走で金を工面しようと奔走します。しかし、彼女の選択や偶然の出来事によって結果は大きく変化し、物語は異なる3つの結末へと向かっていきます。
レビュー
ローラが走り出した瞬間から、観客は疾走感に包まれます。トム・ティクヴァ監督が手掛ける映像編集は、カットのテンポと音楽のリズムを緻密に同期させており、まさにミュージックビデオ的な高揚感。フランカ・ポテンテの赤い髪と強い眼差しは象徴的で、無機質な都市空間と鮮烈なテクノサウンドが相まって、90年代後半のヨーロッパ的クールネスを体現しています。音楽は監督自身が手掛けたもので、映像と完全に呼応する構成が秀逸です。
配信中のサブスク
U-NEXT、Amazon Prime
公式予告リンク
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トロン:レガシー(2010)
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