今観ても燃える！昭和のツッパリ映画5選【青春と喧嘩と友情】

監督：工藤栄一
主要キャスト：石原良純、竹内力、松村雄基

見どころとテーマ

『摩天楼ブルース』は、昭和のツッパリ映画の中でも都会派の香りを漂わせる異色作です。地方の暴走族映画が多い中、本作は東京を舞台に、ネオンとアスファルトの中で生きる若者たちの抗争と友情を描きます。スタイリッシュな映像美と、都会の孤独感をまとった人物描写が魅力で、従来の泥臭い不良映画とは一線を画す存在感を放っています。

あらすじ（ネタバレなし）

東京の新宿近くに暮らす若者・高志は、仲間たちと夜な夜な街を走り回る日々を送っていた。しかし、ある事件をきっかけに、別の不良グループとの対立が激化。抗争の中で、仲間を守るための決断や、自分の生き方を選び取る場面が訪れます。摩天楼に囲まれた街で繰り広げられる喧嘩や友情の物語は、時に切なく、時に熱く胸に響きます。

レビュー（演技・演出・伏線・考察）

石原良純の端正なルックスとクールな佇まいは、都会の不良像にぴったりとハマっています。竹内力は若さと荒々しさが全開で、後年の迫力ある役柄の原型がここにあります。松村雄基の真っ直ぐな演技も作品全体に清涼感を与えています。工藤栄一監督は、夜景やネオンを効果的に使い、アクションシーンにスピード感を与えながらも、若者の孤独や葛藤を丁寧に描写。音楽も都会的で洗練されており、昭和の不良映画における新しい方向性を提示しました。