主役がいない邦画5選 ― 群像劇が描く多彩な人間模様

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ジャッジ!

監督
永井聡

主要キャスト

  • 妻夫木聡
  • 北川景子
  • 豊川悦司
  • リリー・フランキー
  • 鈴木浩介
  • 田中要次
  • 玉山鉄二

見どころ
広告業界を舞台に、国際広告祭で繰り広げられるドタバタと人間模様を描いた群像コメディ。主人公と呼べる存在はいるものの、映画全体は多くの登場人物が絡み合いながら進行します。業界人、ライバル会社、海外の審査員など、多様なキャラクターたちがそれぞれに存在感を放ち、視点が絶えず入れ替わる構成が特徴です。永井聡監督はテレビCM出身で、テンポの良い編集やギャグの間の取り方に優れており、シリアスな群像劇とは異なる「笑い」を軸とした群像構成を実現しています。広告業界の裏側をコミカルに描きつつも、各キャラクターが抱える思惑やプライドが交錯するため、単なるコメディにとどまらない奥行きも魅力です。

あらすじ
落ちこぼれコピーライターの太田喜一郎(妻夫木聡)は、ひょんなことから上司の代理として世界的広告賞の審査員として海外に派遣されることに。相棒として同僚の大田ひかり(北川景子)が同行しますが、現地では言葉も通じず、審査員同士の駆け引きや業界ならではの策略に翻弄されます。各国の審査員や参加者はクセの強い人物ばかりで、喜一郎とひかりは次第に国際的な「広告戦争」に巻き込まれていきます。やがて、ライバル会社の妨害や、審査の裏に潜む利害関係が浮かび上がり、二人は自分たちの信念を貫くために奮闘します。物語は喜一郎とひかりの行動を軸に進みつつも、周囲のキャラクターたちの小さなドラマや裏話が随所に挿入され、群像劇としての広がりを持たせています。

レビュー
『ジャッジ!』は、広告業界という特異な舞台を活かした群像コメディとして、軽快なテンポとユーモアに満ちています。群像劇としての魅力は、主人公以外のキャラクターにもそれぞれ役割と個性が与えられている点。海外の審査員たちの文化ギャップによる笑い、ライバル企業との熾烈なやりとり、会場裏で繰り広げられる小競り合いなど、多方向から物語が動いていきます。演技面では、妻夫木聡の不器用で真っ直ぐなキャラクターと、北川景子の冷静かつキレのある演技の対比が効果的。さらにリリー・フランキーや豊川悦司といった脇役陣の怪演が、物語に厚みと予想外の展開をもたらしています。永井監督らしい映像のテンポ感は、CM的な短いカット割りを映画に落とし込み、観客を飽きさせません。軽やかでありながら、最後には「何をもって正しいとするのか」というテーマも残してくれる作品です。

配信中サブスク
(例)U-NEXT、Amazon Prime Video、Netflix など
※配信状況は時期によって変動します。

YouTubeで「ジャッジ! 2014 予告 公式 特報 trailer」を検索


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