リトル・フォレスト（夏・秋／冬・春）

監督
森淳一

主要キャスト
橋本愛、三浦貴大、松岡茉優

見どころ
東北の小さな集落を舞台に、主人公が自給自足に近い暮らしを送りながら、季節ごとの食材で料理を作る様子を丁寧に描く二部作。野菜や果物の収穫から保存、調理までをリアルに映し出す映像は、食材の色彩や質感を余すところなく伝え、観る者の五感を刺激します。音や匂いまで想像できるような臨場感があり、派手さはないけれど心に残る「食の映画」です。

あらすじ
都会での生活につまずき、故郷の小森に戻ってきた主人公・いち子。彼女は、母から教わったレシピや自ら編み出した方法で、畑で採れた野菜や山菜、川魚などを使った料理を作りながら日々を過ごしていきます。夏には瑞々しいトマトを使った冷製パスタ、秋には栗ごはんや保存食作り、冬には根菜たっぷりのシチュー、春には野草の天ぷら…。料理は単なる食事ではなく、四季を生きるリズムそのものであり、いち子が自分と向き合う時間でもあります。やがて彼女は、料理と自然の中での暮らしを通じて、自分の居場所を見つけていきます。

レビュー
派手な展開や強いドラマ性はありませんが、その分、一つひとつの料理や調理工程が深く心に残ります。料理を「生きること」として描くアプローチは、スローライフや丁寧な暮らしに憧れる人に特に響くでしょう。また、橋本愛の穏やかな語りや、自然光を生かした映像美が、心地よい時間を作り出しています。観終わったあと、自分でも季節の食材を使った料理を作りたくなるはずです。

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