監督
中野量太
主要キャスト
宮沢りえ、杉咲花、オダギリジョー、伊東蒼
見どころとテーマ
『湯を沸かすほどの熱い愛』は、余命わずかと宣告された母が、残された時間で家族を立て直そうと奔走する感動作です。宮沢りえ演じる母の圧倒的な存在感に加え、脇役たちが物語を深く支えています。特に杉咲花演じる娘・安澄は、母の想いを受け止め成長していく過程を等身大で描き、観客の感情移入を促します。さらに伊東蒼の透明感のある演技や、オダギリジョー演じる夫の複雑な人間像も、物語の温度を高めています。主演だけでなく脇役全員が物語に不可欠であることを証明する一本です。
あらすじ
銭湯「幸の湯」を切り盛りしてきた双葉(宮沢りえ)は、ある日、末期がんで余命わずかと宣告される。夫(オダギリジョー)は家を出て音信不通、娘の安澄(杉咲花)は学校で孤立気味。残された時間でやるべきことを決めた双葉は、まず夫を連れ戻し、家族として再び銭湯を再開することを目指す。その過程で、双葉は家族の秘密や過去のしがらみに向き合い、娘にも大切なことを伝えようとする。やがて家族はそれぞれの想いを抱えながらも、一つの方向へと歩き出していく。
レビュー
中野量太監督は、生と死、家族の絆をストレートに描きながらも、過剰な感傷に頼らない演出を貫きました。宮沢りえの存在感は圧倒的で、その演技の厚みが物語を牽引しますが、それを受け止めて支える杉咲花の繊細な演技が、物語に温度と深みを与えます。伊東蒼は、その無垢さと芯の強さで観客の心を打ち、オダギリジョーは頼りなさと優しさを同時に滲ませ、家族の再生に欠かせない役割を果たします。脇役それぞれが自分の物語を持っており、観客は複数の視点で家族の物語を味わうことができます。ラストに向けて積み重ねられる感情は、涙だけでなく温かな余韻を残し、「脇役」の重要性を改めて感じさせる作品です。
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