罪の声
監督:土井裕泰
主要キャスト:小栗旬、星野源、松重豊、市川実日子
見どころ
実在の未解決事件「グリコ・森永事件」をモチーフにした社会派サスペンス。京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)が、亡き父の遺品からカセットテープと手帳を見つけます。その声は、幼い頃の自分の声。テープは大企業を恐喝した事件で使われた脅迫テープでした。曽根は東京の新聞記者・阿久津英士(小栗旬)と共に、事件の真相を追い始めます。
本作は犯人捜し以上に、「罪」と「声」の意味を問いかける構造が魅力です。終盤に明らかになる真実は、登場人物たちの過去と未来を一変させ、観客に爽快感と感動を同時に与えます。
あらすじ
曽根は偶然、自分が関与していたと知らずに過ごしてきた過去の犯罪の証拠を見つけます。一方、新聞記者の阿久津は、事件を再取材する中で曽根の存在にたどり着き、二人は協力関係を築きます。
調査が進むにつれ、事件の裏には組織的な計画と、利用された子どもたちの存在が浮かび上がります。曽根は自分の家族と向き合い、阿久津もまた記者としての信念を試される。やがて、隠されていた真実と関係者の想いが明かされ、長年のしこりが解ける瞬間が訪れます。
レビュー
重いテーマを扱いながらも、最後に訪れるのは人間の良心を信じられる爽快感です。真犯人の存在や事件の全貌は衝撃的ですが、それ以上に「過去を乗り越えようとする姿勢」が胸を打ちます。
小栗旬と星野源の静かながら熱のこもった演技が、作品全体に温度を与え、観終わった後に心が軽くなる感覚を生み出しています。サスペンスでありながら、観客を温かく包み込むようなどんでん返しは邦画ならではの魅力です。
配信中サブスク:Netflix、Amazonプライムビデオ、U-NEXT ほか
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